Space Rider

投稿者: | 2021年6月14日

http://www.esa.int/Enabling_Support/Space_Transportation/Space_Rider

欧州宇宙機関(ESA)が面白い物を構想、開発している。VEGA-Cロケットで打上げ、軌道上に数か月滞在し、地球に着陸する、再使用可能な宇宙機で、小型衛星の放出や回収ができ、小型の無人スペースシャトルといったところ。

コンセプトや見た目は昔日本でも計画されていたHOPEに似ているが、着陸方法がパラグライダー方式を採用しているのが独特である。スペースシャトルやHOPEのように、本体で揚力を発生させないため、Space Riderは翼を持たない。パラシュートと違って着陸ポイントを正確に制御できるため、こちらの動画にあるように、空港にピンポイント着陸でき、海に落ちないので再利用性も高い。

着陸する空港として候補に挙げられているのは、ポルトガル領アゾレス諸島にある小島で、今後ロケット発射場としても整備していく予定。VEGAロケットの論文[1]でも、射場として検討されている。太陽同期軌道(SSO)用の南打ちに適しており、ブラジル東岸を掠めるためもう少し軌道を曲げる制約が入るかもしれないとのことだが、45度の転向が必要な日本の種子島よりは遥かに良い。

[1] Federici, Lorenzo, et al. “Integrated Optimization of First-Stage SRM and Ascent Trajectory of Multistage Launch Vehicles.” Journal of Spacecraft and Rockets 58.3 (2021): 786-797.